トン、トン、トン、トン、トン・・・

ボクは一定のリズムで足踏みをする。

世界の何処を探しても、ボクと同じリズムを刻む人はいない。

11人が、それぞれのテンポでリズムを刻んでいる。

世界の人々が、一斉に足踏みをしたら、どんなメロディーが生まれるのかな。

そのメロディーはきっと、人間の憎しみや偏見までも消してくれるだろう。

そしてそれは、たくさんの人達を幸せにするはずだ。

 ドン ドン ドン・・・

 トコ トコ トコ トコ・・・

 トッ トッ トッ・・・

そのリズムに、間違ったものは無い。

正しいものなんて、1つも無いのだ。

 

そんなことを考えながら、ボクは足踏みを続ける。

止めてしまえば、自分のぬけがらだけが残るような気がして。

 

ボクのリズムは明日には変わっているかもしれないし、ずっとこのままかもしれない。

そう思うと、今という時間が、とても愛おしく思えてきた。

ボクは今というかけがえのないリズムを、精一杯刻んだ。

 

トン、トン、トン、トン・・・

ボクは今、ここにいる。

このリズムは、ボクにしか刻めない。

 

トン トン トン トン・・・

その時、生まれたばかりの自分が、そこにいた。

ボクはまだ、歩き始めたばかりだ。