クロくま・著

 

「生まれ堕ちるその日まで」

 

この世界に明日はないと 全ての糸を断ち切って
深い闇に 自ら堕ちていくと言うのなら 一遍の詩をボクに下さい
アナタのいた証を アナタの名を 
ココに記して幾度となく 朗々と読み上げ 皆に知らしめるんだ

 

どんな意味だって構わない 受け入れる覚悟は出来ているから

 

こぼれ落ちた感情は 幾千もの刃になって ボクの心を貫き続ける
感じる事しかボクには出来ない 全ての意味を見出すまでは
か弱きキミの存在を ボクは今まで 認めたくなかった

 

答えはここにあるんだろう? いつもここから見てるんだろう?
なのにキミは言葉を持たない 心に響く 音叉だけ

 

「言葉の羅列に惑わされてるよ」

 

世界と繋がるこの場所は 混じりけの無い心の在り処
だからキミは ここにいる だからボクは 辿り着いた

 

「始まりでも終わりでもない ここは 通過点にすぎないのさ」

 

キミは ここに記したたくさんの 名もなき詩を 白紙に戻していいと言うの?
ボクは 癒えきれぬ傷口を舐め 毒にまみれながら 行くしかないの?
どれだけの愛を無くしたら 世界を 全てを 救えると言うの?

 

窓の外は雷鳴のごとく 轟き続ける罵詈雑言

 

そんな腐敗した世界に キミはその 小さき体を委ねようとしている
脈々と流れる蔦を引きちぎり 光の帯の先に飛び込む準備を

 

「痛みを伴なわない未来なんて ないんだよ」

 

ああそうか キミは全てを知っていて 生まれ堕ちていくんだね
キミにはボクの 自虐的価値観なんて 何の意味も持たないんだ
答えは確かにここにある でもそれで全てが終わりじゃない

 

生まれ堕ちるその日まで ボクはキミの傍にいよう
温かき手が 差し伸ばされる その日が来るまで ここにいよう
さあ 冷えきらないうちに 今はまだ 目を閉じて オヤスミ

 

どうか キミは消えないで
どうか 闇に手を伸ばさないで
どうか どうかこの場所に ボクがいた事さえも忘れないで

 

そう願い 全てを閉ざしてボクは独り キミを想って 静かに泣いた