亜香子・著

 

 

だったらなんなの?

 

 

めんどくさいと言いたげな口振りでキミは吐き捨てた。

 

てかアタシ、別にそんなこと思ってないし。

 

続けて言葉を滑らす。

 

早口になってきて顔がどんどん赤みを帯びてきている。

 

 

・・・見ないでよ、キモチ悪い。もういい。あっちいって。

 

 

言葉に裏、表あるかって聞かれればそりゃ、あるだろうと無意識に返すだろうけど。

その表は実は裏で、でも裏はきっと表でありたいと願って存在してる裏かもしれない。

 

いずれにせよ、キミの発する言葉には羽がついていて羽毛のように漂う。

“空気”にあおられたりしながらも、でもどこかへ行きたげに。

 

 

ボクにはそんなキミの言葉が愛しいのだ。

 

 

裏だけど表なの。

きっと気付いてくれるよね。でもアタシはそんな表、絶対に口にしない。

 

頭を隠してもすっかり見晴らせてのぞき見できるココロのレンズ。

上を見たけりゃ見れるけど、裏から見た表は本当は表じゃないかもね。

 

 

キミが必要とするココロのレンズの色。

 

 

漂う言葉。

 

 

ボクがボクのレンズでキミのレンズごとキミをすっぽり包み込んでやる。

 

 

キミがすべてをすべてじゃないと言い切るならすべて出し切るまで全部包み込んでやる。

 

 

意味の無いものなんてない。価値もあった。必要とされた。

今ってさっきがあったから今がある。

 

 

キミからボクはどう見える?

 

 

ボクのカケラは少なからずキミが与えてくれた。

 

 

 

“ちゃんと伝わってるよ”

 

 

 

ボクの言葉は静かに、でも確実に響き渡った