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2008年9月26日 (金)

『トウキョウソナタ』出演の気になる俳優・皆木勇紀に迫る!

03__2 第61回カンヌ国際映画祭で、大賞に次ぐ審査員賞である「ある視点」部門に輝いた『トウキョウソナタ』が、9月27日ついに公開される。その作中で、小柳友演じる佐々木貴が、ティッシュ配りのアルバイトをするシーンで登場するのが、今回インタビューにお答え頂いた皆木勇紀さん。映画『うた魂♪』にも出演し、プロ級のサッカーの腕前を持つ皆木さんは、今後の要注目アクターなのでぜひチェックしてみて下さい。

『トウキョウソナタ』
監督/黒沢清 出演/香川照之 小泉今日子 小柳友 井之脇海 井川遥 津田寛治 役所広司ほか
配給/ピックス
ある日突然リストラ宣告された健康機器メーカーの総務課長・佐々木竜平(香川照之)は、専業主婦の妻・恵(小泉今日子)に話せないままハローワークに通う日々が続く。次男の健二(井之脇海)は、小学校の担任・小林(児嶋一哉)と仲違いして反発。通学中に見つけたピアノ教室に通いたいと両親に相談するが、取り合ってもらえない。一方、長男で大学生の貴(小柳友)はバイトに明け暮れ、家族とはすれ違いの生活だった……。
9月27日(土)より、恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町ほかにて公開

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--ついに『トウキョウソナタ』が公開されます。カンヌで絶賛されたのも頷けるような、素晴らしい作品でした。
「日常で起こり得る出来事が、凄く淡々とリアルに描かれてますよね。最後まで面白く観られました。カンヌのことを知ったのは当日だったんです。友達からたくさんメールもらってビックリしました。まだ2本目の映画出演だったので、まさか、まさかと。スタッフの方が撮影中に、カンヌ狙ってるってことをちょこっと仰ってたんです。黒沢監督だからあり得るな、と思ってテンションが上がって、小柳友君とも“行っちゃいそうだな”なんて話をしてました(笑)」

--本作は『うた魂♪』に続く映画出演作になる訳ですが、皆木さんが役者を目指すきっかけになったものはなんでしょう?
「それが、自分でもあまりはっきりしてないんです。邦画にハマった時期もあったんですけど、自分が演者側になるとは夢にも思っていませんでした。ただ、長年サッカーをやっていて、そのつながりで『キャシャーン』の紀里谷和明監督と出会ったんです。それがきっかけで、色々な映画の撮影現場に行かせて頂けるようになってから、映画というものに関わりたいと思うようになりました。だから最初は、演者だけでなく制作側にも興味があったんですよ。スタート自体は漠然としたものだったんですけど、今はもうはっきりしてますね」

--『トウキョウソナタ』への出演が決まった経緯を教えて下さい。
「色々な映画の現場を見ていく中で、ある映画のプロデューサーさんとプライベートでも仲よくしてもらえるようになったんです。その方に『うた魂♪』のオーディションへ声をかけて頂き、『トウキョウソナタ』にも…という形でご連絡を頂きました。『トウキョウソナタ』は、黒沢監督との顔を合わせから、小柳友君と共演するシーンの撮影までがけっこうなスピードで進んでいきましたね」

--友君とのシーン。うだつの上がらない毎日を送る貴(小柳)が、ティッシュ配りのアルバイトを終えて仲間とバイクで疾走、残ったティッシュを川に投げ捨てるという印象的なシーンでした。
「台本を見ると、《川べりでティッシュを投げ捨て、戯れて疲れて座る》と書いてあったんです。頭の中では、多摩川の土手みたいなものをイメージしてたんですよ。でも、いざ行ってみると都心の短い橋の上で(笑)。そういう自分的なアクシデントもあったんですけど、景色も綺麗で、メンタル的な部分もよかったので、いざテストに入った時は凄い気持ちよく出来ましたね。あのシーン、台本の中では僕がティッシュを投げ捨てて、友君が空の段ボールにパンチを繰り出すということが書いてあるんですよ。それで、しばらく戯れたあとに疲れて座り込むと書いてあったんですけど、監督が『もったいないからサッカーにしよう』と言ったんです。あの大きな段ボールで、リフティングをやってくれって仰るんですよ(笑)。フルーツとかはあるけど、段ボールでリフティングはやったことなくて…」

--そんなご無体なリクエストがあったとは! 今回、役を演じる上で何かムズかしさみたいなものはありましたか?
「セリフ部分では全くなかったです。大勢のなかのひとりだった『うた魂』とは違い、『トウキョウソナタ』ではひとりの役として出させて頂いたのですが、僕の演じるリョウスケという役がわりと自分に近い--同じようなバイクを持っていたり--という部分に助けられたのはありますね。セリフ以外の部分では、自分の中の“設定”をどうすべきか考えていた時があって、プロデューサーの方に相談をしたんです。すると、『そのままでいいよ』『リョウスケに選ばれたということは、もう君がリョウスケだから』とアドバイスしてくれたんです。それで、だいぶ気が楽になりましたね。あと、役の設定を考えていた時に、プラスアクトも何冊か読ませてもらいました。色んな方の考えを読んで、“この人はこういう風に思うんだ”っていうのを参考にしながら臨んだという感じです」

--撮影自体はとても順調だったようですね。
「黒沢監督、撮影のペースが早いんですよ。OK、OK、OKって。不安にもなったんですが、完成したものを観て安心しましたね。黒沢監督も、このシーンをよかったと仰ってくれたというのを、助監督の方から聞いて安心しました。友君との関係がよかったのもあって、僕のシーンの撮影は3日間で終わったんです。その時、早く終わって友君と一緒に駅に向かってたんですが、ふたりともあまりにお腹が減って『(手持ちの)ロケ弁を食べよう』という話になったんです。『さすがに電車の中では食べられないよね』となって、ホームのベンチに座ってふたり弁当を食べてたんですが、そこに偶然プロデューサーがやってきて(笑)。『何してるの!?』となって、ビックリしました」

--では、ここからは皆木さんご自身のことを聞かせて下さい。
「出身は広島県です。かなりの転勤族で、広島には3歳くらいまでしかいなくて、幼稚園は横浜にいて、大阪行って神戸行って、あとはほとんど川崎で…という。だから、広島県出身なんですが広島弁は喋れないんです(笑)。引っ越しにストレスは全然感じなかったですね。それが普通だと思っていて、流れに乗って行くときは行くぞという感じでした」

--サッカーはいつごろから始められたのですか?
「『キャプテン翼』に憧れて幼稚園から始めて、小学3年生くらいの時に神戸へ行って本格的にという感じです。神戸では、僕がいた地域にふたつチームがあったんですよ。ひとつが神戸市の中で一番強いチームで、もうひとつが一番弱いという。めちゃくちゃ弱いんですよ(笑)。どっちに入るとなったんですけど、強いチームのコーチがけっこう怒鳴る、怖い人だったんです。小学生だったので、あそこには入りたくないなと思って弱いところに入ったんです。すると、たまたま僕らの学年だけ運動が得意な子が集まっていて、僕らの代だけ凄く強い代になったんですよ。先程の一番強いチームにも6-0とかで勝って、神戸で優勝して兵庫に出たら、その兵庫でも優勝して、関西で優勝して…ってなってしまったんです。その後、小学4年生で東京へ戻ってくる時、読売ヴェルディのジュニアがちょうど全国少年サッカー大会で優勝していて、ダメ元でも入りたいと思ってテストを受けたんです。そうしたらたまたま受かって…という感じですね」

--サッカーで得たものが、演技にも活かされてるというのもありますか?
「それは凄くあると思います。かつてお世話になって、とても感謝している指導者の方がいるんですが、彼が“強くても弱くても、スポーツは楽しくないと”というタイプの方だったんです。“楽しくやろうよ”っていう。それは映画にも同じことが言えるし、そう心がけっていうのは、カメラが回った時に出てくると思うんですよ。また、映画もサッカーもチームプレーですから、芝居のスキルとかは関係なく、クランクインからクランクアップまでみんなが気持ちよく過ごせることを大切にしたいですね」

--サッカー同様、上達していくと“個”を出したくなるものでしょうか?
「今はまだスタートしたばかりで、我を出していきたいというのはまだないですね。ただ、次のレベルに行けた時に“作品の中で生きられたら”とは思ってはいます。というのは、『トウキョウソナタ』に役所広司さんも出られていて、一緒のシーンはなかったんですが、現場へ行って彼の演技を見てたんです。今回役所さんは泥棒役だったんですが、役所広司という役者を全く意識させることなく、そこにもう“泥棒”がいるんですよ。“役所広司<その役”のようなものがあって、それって本当に凄いなって思いました。そういったものを吸収して、役所さんのように“作品の中で生きる”ことが出来たらと思います」

--役所さんのほかに、お好きな俳優とかいらっしゃいますか?
「好きな映画と同じで、その時々で印象に残ってる人が変わってくるんですけど、最近気になるのは加瀬亮さんですね。感覚的なもので、なんでかっていうと答えにくいんですけど、なんだか見てしまうじゃないですか。彼の醸し出してる雰囲気もいいなって思います」

--今後、役柄的にやってみたいものはありますか?
「今はなかなかムズかしいかもしれないのですが、自分とは全く逆の役も将来的にはやってみたいですね。サッカーをしていたから体育会系というイメージもあるんですけど、意外と落ち込んだりすることも多かったりするので、例えば凄いネクラみたいな役とかいいかもしれないです。今年映画に3つ出させて頂いたんですが、現場に凄く恵まれて、サッカーとはまた違った面白さ、独特の緊張感、責任というのを感じました。これからも、周りの方の助けを借りながら頑張っていきたいです」

皆木勇紀(みなき・ゆうき)
1979年広島県生まれ。サッカー選手としてヴェルディ川崎、横浜フリューゲルスのユースチームで活躍。U-12、U-14、U-16の日本代表にも選出されている。'08年『うた魂♪』(田中誠監督)で映画デビュー。ドラマ『日本テレビ開局55周年スペシャルドラマ 東京大空襲』『正しい王子の作り方』にも出演し、9月27日公開の『トウキョウソナタ』では小柳友と共演をしている。趣味は映画・音楽鑑賞、ダーツ、バイク、スケートボード、スニーカー集め。最新作は、年末公開予定の『傘(仮)』(たかひろや監督)。ヤンキー役で出演し、美容院店主のブラザートムと共演している。

皆木勇紀公式ホームページ:http://www.humany-earthy.com/minaki-yuki/

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