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2008年7月10日 (木)

『純喫茶磯辺』初日舞台挨拶

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「+act.」16号で総力特集を組ませていただいた『純喫茶磯辺』。本作は、諦めていた人生を再スタートさせるダメ親父と、そんな父親に呆れながらも応援する娘のひと夏を描いたハートフル・コメディーだ。
7月5日(土)、この夏イチ押しの映画『純喫茶磯辺』が公開初日を迎え、新宿テアトルで舞台挨拶が行われた。残念ながら、主演の宮迫博之はスケジュールの都合上、登壇出来なかったが、吉田恵輔監督、仲里依紗、麻生久美子、和田宏、斎藤洋介、ミッキー・カーチスと豪華な面々が勢揃いした。

磯辺家の頼りない大黒柱・裕次郎を支える一人娘の咲子を演じた仲里依紗から舞台挨拶が始まった。もちろん、話は当日欠席となってしまった裕次郎(宮迫博之)に対してだった。「もう、ダメですね。その辺がメタボってます!」という厳しいツッコミを入れつつ、すぐに切り替えて「この映画は片意地張らずにボーッと観ることが出来て、忙しい時の息抜きに最適な映画です。それに、7月に入って本格的に暑くなってきたので、この映画を観ていい意味でクールダウンしていただけたら、と思います」とこの“夏”に観てもらいたいことを堂々アピールした。宮迫との共演に関しては、「お互いに人見知りだったので、最初は全然喋らなかったんですけど、撮影終盤になっていくに連れて意気投合しました。それから、本当の親子みたいになっていって、最後は“パパ”と呼んでました」と、息の合った演技を裏付けするコメントをくれた。

次に、『純喫茶磯辺』にやってくる美人アルバイト、素子を演じた麻生久美子が、「この作品は、言ってみたら何かが起きる訳でもないんですが(笑)、飽きずに観れるのはやっぱり監督の力が凄いからだと思います」と語った。また、何を考えているのか分からない素子を演じるにあたっては随分苦労したようだ。「自分の周りにいる人の理解出来ない部分を参考にしたんですが、それでも全然つかめませんでした。現場で吉田監督に相談したら、“1シーン1シーン、統一感がなくていい”って言っていただいたので、その日の気分を役に乗っけていきました。こういう役作りをしてもいいんだと新しい発見が出来た現場でした」

続いて、仲里依紗演じる咲子と恋の予感を感じさせながらも、謎を含んだ安田役を演じたのは和田宏。実は、吉田監督とはデビューが一緒で、『純喫茶磯辺』は11年ぶりの仕事だったようだが。「まさかあのような役を準備していただいてるとは…(笑)」。そのコメントにすかさず、ミッキー・カーチスは「あれは地でいってるからね(笑)」と会場を賑わす。「楽しみに観てください、…楽しみに?」。そこでまた会場が沸いたが、「僕の役を“楽しみに”、かどうかは分からないですけど、素晴らしい作品になっていると思います」と述べ、映画を観終えたら、まだ残っている純喫茶に足を運んで、『純喫茶磯辺』の魅力をより感じてほしいと加えた。

街角に残る純喫茶で、実際にマスターをしていても違和感を感じさせないミッキー・カーチスは、本作でもマスター役の宮迫よりもマスターっぽいのだ。「この映画、凄い難しかった! 長ゼリフがいっぱいあってね(笑)。凄い苦労した!」と意表をつくコメントで会場をさらに賑わせた。今まで120本近く出演してきた映画の中でもトップ10入りする程お気に入りだと、ミッキー・カーチスのお墨付き。また、「吉田監督の作品はこの前に三作品ありますが、それらも吉田ワールド炸裂で、とても素敵です。この映画を観て気に入ったら、是非、向こう三軒全部観ていただければと思います」と吉田監督を全面的に宣伝した。

事あるごとに“九州人?”と聞いてしまう、これもまた不思議な役どころだが、本編では他キャストと交流の少なかったからか、斎藤洋介が『純喫茶磯辺』の魅力をテンポよくズバリと斬る。「『純喫茶磯辺』という題からして、ダサい映画です。主演の宮迫と、中央にいる女性ふたり(仲里依紗さん・麻生久美子さん)以外、誰も芝居をしていません。単なるセットの一部です。ミッキーさんに関しては、置き道具です!」すると、横でミッキーが「ひひひ(笑)」と笑う。そして、斎藤は「ですが、“日本映画界には、こういう映画がなければいけないんだ”と思えるような映画になっております」と力強く言い放った。

キャスト5人に太鼓判を押され、しかも会場は立ち見が出る程の超満員。そんな状況に吉田恵輔監督は、「嬉しくてちょっとチビリそうなんですけれども(笑)」と笑いを誘いつつも、「ここにはおりませんが宮迫博之さん、濱田マリさん、近藤春菜さんも含め、キャストの方々が本当に面白く演じてくれました」と感謝を述べた。それから、吉田監督作品の特徴のひとつとも言える、本編以外の見どころも健在だ。「美術にも面白いものがたくさんあります。そんな物語以外の、ピントが合ってない部分にも注意して観ていただけたら、より一層楽しんでいただけると思います」と、『純喫茶磯辺』らしいユニークな舞台挨拶を締めくくった。

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今回、舞台挨拶の会場となったテアトル新宿では、上映期間中、劇場入り口に『純喫茶磯辺』のコスチュームが展示されている。いっぱい笑って涙して、心が“ほこっ”と温かくなるこの『純喫茶磯辺』を是非、劇場でご覧ください。
なお、『純喫茶磯辺』の公開を記念して、ミッキー・カーチスさんもおすすめする吉田恵輔監督の過去の三作品もテアトル新宿にてオールナイトで上映する予定。監督、ゲストによるトークショーもあるとのことで、こちらも合わせてチェックしていただきたい!!

『純喫茶磯辺』公開記念~吉田恵輔監督オールナイト~
8月2日(土)
【上映作品】
『机のなかみ』
『メリちん』(劇場未公開作品)
『なま夏』
『純喫茶磯辺』
詳細は、テアトル新宿ホームページ内イベント情報をご覧ください。
http://www.cinemabox.com/schedule/event.cgi?0004

書籍『純喫茶磯辺』吉田恵輔・著
竹書房より好評発売中!
映画では語られなかったエピソードも含め、より濃い『純喫茶磯辺』が楽しめます。
http://www.takeshobo.co.jp/

『純喫茶磯辺』
監督/吉田恵輔
出演/宮迫博之、仲里依紗、麻生久美子、濱田マリ、近藤春菜、ダンカン、和田宏、ミッキー・カーチス、斎藤洋介 ほか
配給/ムービーアイ
8年前に妻(濱田マリ)と離婚して以来、一人娘の咲子(仲里依紗)とふたり暮らしをしている中年メタボおやじの裕次郎(宮迫博之)。突然、舞い込んできた多額の遺産を元手に、美女と気軽に話したい一心で喫茶店経営を思いつく。その名も『純喫茶磯辺』。名前だけでなく、内装も限りなくダサいお店に客足が伸びるはずもなかった。しかしそこへ、たまたまアルバイト先を探していた美女・素子(麻生久美子)がやってきて働き始めると、『純喫茶磯辺』は奇妙な常連客で賑わい始める。素子への下心がミエミエの裕次郎に呆れる一方、咲子も常連客で小説家の卵、安田(和田宏)に惹かれていき…。新たな青春に走り始めた父、裕次郎と、初恋に目覚めてしまった娘、咲子。ふたりの恋は実るのか!? そして、その先に待っている幸せとは!? 不器用な父と娘のひと夏を描いたハートフル・コメディー。
テアトル新宿、シネ アミューズほか全国ロードショー中!
http://www.isobe-movie.com/

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